事業用賃貸借契約は、居住用に比べて契約書が長く、借主に不利な特約が含まれやすい性質があります。 契約後に「聞いていない」「思っていた条件と違う」というトラブルを避けるため、 このチェックリストの13項目を1つずつ確認してから署名してください。
普通借家契約は借主に有利で、更新拒絶には正当事由が必要。定期借家契約は期間満了で確定終了し、再契約は貸主の任意。長期営業前提なら普通借家を選ぶべきです。
⚠ 定期借家契約でも「再契約できる見込み」との口約束は契約書面に残すこと
一般的に契約期間は2〜3年で、更新時に賃料1ヶ月分の更新料が発生します。定期借家の場合は「再契約料」として別途請求される場合もあります。
「飲食店に限る」「物販のみ」など業種が限定されている場合、将来の業態変更や又貸しができません。将来の事業拡大も見据えて条項を確認してください。
⚠ 業種変更の際は貸主の書面承諾が必要。口頭了承は後日否認されることがある
事業用は敷金6〜12ヶ月が相場で、このうち「償却(返還されない部分)」が1〜3ヶ月分設定されることがあります。退去時の返還額を具体的に確認しておきましょう。
「入居時の状態に戻す」と「スケルトンに戻す」で工事費が数百万円変わります。契約書の原状回復条項を精読し、入居時の現況写真を貸主と共有する合意を得てください。
⚠ スケルトン戻しが原則。居住用と違い通常損耗免責は効かない
「2年ごとに経済情勢に応じて改定」といった条項があると、一方的な値上げを打診されることがあります。上限%を明記するか、合意がなければ現行維持とする条項を入れるのが理想。
共益費の対象範囲(共用部清掃・エレベーター電気代等)を確認。水道光熱費が「貸主メーター分岐」の場合、実費との差額が発生することがあります。
躯体・共用設備は貸主、専有部設備は借主というのが一般的ですが、エアコン・給湯器など大型設備の修繕責任を書面で明確にしておくことが重要です。
解約予告期間(通常6ヶ月)、違約金(賃料3〜6ヶ月分が一般的)、定期借家契約の中途解約可否を確認。早期撤退リスクを想定して条件を精査します。
ファサード看板・袖看板・立て看板の設置可否と、位置・サイズの制限を確認。設置費用と撤去費用の負担も明記しておきましょう。
連帯保証人を立てる場合は極度額(保証上限)の明記が必須(2020年民法改正)。保証会社利用の場合は保証料率(年1〜2%)と更新料を確認。
深夜営業制限・業種変更制限・又貸し禁止・保険加入義務・暴力団排除条項など、末尾の特約は必ず一つずつ読み込んでください。
⚠ 「本特約が優先する」と書かれていることが多く、本文より強い効力を持つ
宅建士による重要事項説明は契約前に必ず実施されます。口頭説明だけで済まさず、疑問点はその場で書面に記録し、後日確認できるようにしてください。