所有している店舗物件が空いた際、初めてテナント募集をする貸主にとって「何から手をつければよいか分からない」というのはよくある悩みです。すでに募集を出していて反応が悪い場合の見直しポイントは空き店舗が埋まらない7つの原因と対策で解説していますが、本記事ではこれから初めて募集を始める貸主向けに、準備から掲載までの基本的な流れを整理します。
募集を始める前に整理しておくこと
テナント募集を始める前に、物件の基本情報を整理しておくと、その後の掲載・問い合わせ対応がスムーズになります。具体的には、所在地・面積・賃料・保証金や礼金などの初期費用、業種条件(飲食可否・重飲食可否など)、設備状況(電気容量・ガス・給排水・排気ダクトの有無)、引き渡し条件(スケルトンか居抜きか)、そして募集開始可能な時期です。これらが曖昧なままだと、問い合わせを受けてから条件を決めることになり、対応が後手に回りやすくなります。また、賃料の目安が自分でも分からない状態で募集を出すと、相場から大きく外れた条件になっているのに気づかないまま長期間問い合わせが来ないという事態にもなりかねません。周辺の類似物件の募集事例をいくつか調べておくと、賃料や初期費用の水準を客観的に把握しやすくなります。
物件情報・写真をそろえる
出店を検討する側は、複数の物件情報を画面上で比較検討します。明るい時間帯に撮影した内観・外観写真、区画図面、設備条件を明記した資料をそろえておくと、問い合わせの質・量の両方が向上します。とくに前面の視認性や人通りの様子が分かる写真は、出店側の検討材料として重視される項目です。空室の状態だけでなく、前テナントが残した設備(厨房機器・什器・棚など)がある場合は、残置するのか撤去するのかを写真とあわせて明記しておくと、居抜き需要のある出店希望者からの問い合わせにもつながりやすくなります。
募集チャネルを選ぶ|複数の窓口を持つ
募集の窓口としては、地域の仲介会社に依頼する方法と、テナント・店舗物件専門の検索サイトに掲載する方法があります。1つの窓口だけに頼ると露出が限られるため、複数のチャネルを併用して間口を広げるのが基本です。senkyakuのようなテナント・店舗賃貸専門のポータルサイトでは、貸主が無料で物件情報を掲載でき、出店を検討している事業者からの問い合わせを直接受けられます。掲載時には前述の物件情報・写真・業種条件をそのまま登録できるよう準備しておくと、掲載作業がスムーズです。
問い合わせ対応の体制を決めておく
掲載を始めると、問い合わせへの対応スピードが成約率に直結します。出店希望者は同時に複数物件を比較しているため、返答が遅れるとその間に他の物件で話が進んでしまうことがあります。誰が窓口になるか、内見の日程調整をどう行うか、申込があった場合の審査・契約の流れをあらかじめ決めておくと、いざ問い合わせが来た際に迷わず対応できます。管理会社に客付けを任せるか自分で対応するかによっても体制の作り方は変わるため、どちらが自分に合っているかもあわせて検討しておくとよいでしょう。テナント審査で確認すべきポイントはテナント審査のチェックポイントを参考にしてください。
よくある質問
Q1. テナント募集にかかる期間の目安はどのくらいですか? 立地・賃料設定・業種条件などによって大きく異なるため、一律の期間を示すことは困難です。問い合わせ数や内見数の推移を見ながら、反応が芳しくない場合は早めに条件の見直しを検討することが望ましいです。
Q2. 掲載する物件情報は途中で変更できますか? 多くの場合、賃料や募集条件は掲載後でも見直しが可能です。反応を見ながら初期費用や業種条件を調整するのは一般的な運用です。
Q3. 仲介会社を通さず貸主が直接テナントとやり取りしても問題ありませんか? 契約内容や重要事項の説明など、宅地建物取引業法上の規制に関わる場面もあるため、直接のやり取り自体は可能でも、契約書の作成や重要事項説明については宅地建物取引士など有資格者の関与を検討することをおすすめします。
まとめ
初めてテナント募集を行う際は、物件情報の整理、写真・図面の準備、複数チャネルでの掲載、問い合わせ対応体制の4点を押さえておくと、スムーズに募集をスタートできます。掲載後に反応が芳しくない場合は、賃料設定や募集条件の見直しが必要になるため、空き店舗が埋まらない7つの原因と対策もあわせて確認してみてください。