テナント内見の完全チェックリスト:見落としやすい設備・法令確認項目32選
「内見時には問題なさそうに見えたのに、契約後にトラブルが続出した」という事例は少なくありません。テナント・店舗物件の内見は住宅と異なり、確認すべき項目が専門的かつ多岐にわたります。本記事では、テナント仲介の現場で培った経験をもとに、2026年現在も見落とされやすい重要チェック項目を網羅的に解説します。
内見前の事前準備が成果を左右する
内見当日に初めて物件の詳細を確認しようとすると、時間が足りなくなります。事前に以下の資料を取得・確認しておきましょう。
- 平面図(間取り図)の入手と動線確認
- 設備一覧(付帯設備リスト)の確認
- 前テナントの業種と退去理由の確認
- 建物の築年数・構造(木造・鉄骨・RC造)の確認
- 建物の耐震性(1981年以降の新耐震基準か旧耐震基準か)の確認
内見当日は必ずメジャー・スマートフォン(写真・動画記録用)・チェックリストを持参しましょう。複数回に分けて時間帯を変えて内見することで、混雑状況や騒音環境なども確認できます。
設備・インフラ系チェック項目(20項目)
電気設備(8項目)
- 電気容量(アンペア数):飲食店では60A〜200A以上が必要なケースも多い。契約電力の確認は必須
- 動力電源の有無:業務用厨房機器・エアコンに三相200Vが必要か確認
- 分電盤の状態:ブレーカーの数・空き回路の有無・老朽化の確認
- コンセントの位置・数:増設工事の費用見積もりも視野に入れる
- 照明設備の種類:既存照明を流用できるか、LED化の必要性
- 非常照明・誘導灯の設置状況:消防法上の義務確認
- 電気メーターの位置と管理形態:共用か個別か、精算方法の確認
- 電気料金の精算方法:直接契約か管理費込みか
給排水・ガス設備(7項目)
- 給水管の口径と水圧:飲食店では十分な水量が確保できるか
- 排水管の位置と勾配:厨房やトイレの増設可能かどうかに直結
- グリストラップの有無:飲食店では設置が必要なケースが多い。前テナントのものが流用できるか
- ガスの種類(都市ガス・プロパン)と供給能力:業務用機器の使用に対応できるか
- 換気設備の能力:飲食店では排煙・換気が特に重要。外気排出ルートの確認
- トイレの数と位置:従業員数・来客数に適切か。バリアフリー対応の有無
- 給湯設備の有無と能力:使用用途(手洗い・厨房・シャワー)に応じた確認
空調・環境設備(5項目)
- エアコンの設置状況と能力(馬力数):業種によって必要能力が異なる
- 天井高と空調効率:高天井の場合は空調費が増大する可能性あり
- 換気口・ダクトの状態と位置:調理ダクトの新設・変更可否の確認
- 防音・遮音性能:騒音・振動が問題になる業種は特に重要。隣接テナントの確認も
- 床荷重(積載荷重):重い機材・什器を設置する業種では必須確認
法令・消防系チェック項目(6項目)
- 消防設備の設置状況(自動火災報知設備・スプリンクラー・消火器)
- 用途変更が発生するかどうか:前テナントとの業種区分の変化で追加工事が必要になる可能性
- 防火管理者の選任義務の有無:収容人数から判断(詳細は消防設備ガイド参照)
- 建築基準法上の用途確認:計画している業種が建物用途に適合するか
- 飲食店営業許可の取得要件:保健所の事前相談が必要な場合も
- 風営法の適用有無:深夜営業・接待を伴う業種は要確認
建物・物件条件系チェック項目(6項目)
- 搬入経路の幅と高さ:大型機器・厨房設備の搬入可否。エレベーターのサイズも確認
- バックヤード・倉庫スペースの確保:在庫管理が必要な業種は特に重要
- 看板設置の可否と規制:建物・行政の規制を事前確認。屋外広告物条例との整合性
- 駐車場の台数と管理形態:来客・従業員の駐車需要に対応できるか
- 近隣環境(競合・住居・行政施設):開業後の集客や騒音クレームに影響
- インターネット回線の引き込み可否:光回線・専用線の工事可否と費用確認
内見後にすべきこと
内見で気になった点はその場でメモし、写真・動画で記録しておきましょう。特に設備の不具合・汚損箇所は、契約前に修繕責任の所在を明確にすることが重要です。
不明点は仲介業者を通じてオーナーに確認し、必要に応じて設備確認書(告知書)の取得を求めましょう。また、消防・保健所への事前相談は内見後の早い段階で行うことをお勧めします。
このチェックリストを印刷して持参することで、内見を効率よく進められます。センキャク不動産では内見の同行サポートも行っています。物件を探す際はお気軽にご相談ください。
